この記事を書いた人

NPO法人マナビエル 代表理事、社会教育士、ワークショップデザイナー。ことばで自分を伝える力を向上のためのワーク教材や授業デザインを担当。

作文を見ればわかる?家庭のエコ意識

くらしの伝える力

作文を見ればわかる?家庭のエコ意識


作文のテーマ、
小論文の課題として
よく挙がる
エコや環境問題。

『プラスチック海洋汚染』

『食品ロス』

『地球温暖化対策』…

うんうん、確かに
そういうテーマを
よく見かけますよね。

作文や小論文だけでなく、
受験の設問や、
面接で問われることも
当たり前のようになっています。

しかし、
これらのテーマにおいて
子どもたちの文章に触れ、
私たちが
いつも感じることがあります。

それは、ズバリ
自分ごとで語れる
エピソードがないこと。

子どもたちは
文章のテクニックのひとつとして、
「自分の体験談や経験」を
挙げながら説明していきます。

その際に、
子どもたちが挙げる
自分自身の経験が
あまりないか、または
非常に乏しいのです。

きっと知識としてはわかっても
身近なエコについては
実は経験不足なのです。


つまり…
その家庭のエコ意識や、
家族で取り組んだ経験の有無が、
そのまま我が子の作文に
表れてしまってるかも!?

家庭=日本人全体にいえること

内閣府による気候変動に関する世論調査(令和2年11月)は、
日本人の地球環境に対する意識を調査したものです。
以下、引用です。

Q1 地球の温暖化、オゾン層の破壊、熱帯林の減少などの地球環境問題に関心がありますか。

年代を平均すると、80%を超える人が「関心がある」と答えています。

Q2 地球温暖化などの気候変動により、このような様々な影響が出ることを知っていましたか。

こちらは実に94%の人が「知っている」と答えています。

Q3 「脱炭素社会」の実現に向け、一人一人が二酸化炭素などの排出を減らす取組について、どのようにお考えですか。

「積極的に取り組みたい」「ある程度取り組みたい」をあわせて、どの世代においても9割に上ります。



ここまででわかることは、

多くの人が
関心を持っていて、

気候変動の影響について
知ってはいて、

脱炭素の取り組みを
したい気持ちはある!

ということです。
しかし、ここからが
よく子どもの作文にも
表れてしまう、
エコに対する現状が
行動として見えてきます。

↓     ↓     ↓

Q4 「脱炭素社会」の実現に向け、日常生活の中で、現在取り組んでいることは何かありますか。

脱炭素の取り組みに多くの人が関心を持っている中で、実際に行動に移していることとして、「衣服の調整で冷暖房を適切に管理」「こまめな消灯」「省エネルギーの家電製品の購入」といった取り組みが大半を占めます。


この表の
取り組みで目立つのが、

電化製品

住宅
ライフライン

大きな商品やサービスを
選択するときに、
おなじ選ぶなら
エコの配慮をされたものを…
という意識は強いということです。

それはとっても
すばらしいことですし、
意識や関心が持てていると
言えると思います。

ところが
その家族の
ライフイベントの様子を見て、
子どもたちは
それを身近な経験だとして
紹介してくれますが、

やはりどこか自分ごとではないので
なかなか説得力のある
エピソードにはならないようです。

これは、
家庭だけでなく
社会全体として
同じ空気だと言えます。

「自分ごととして語れない」

それが作文にも表れていて、
多くの作文が

・家族がエコ商品を購入

・電気ガス水道の節約

に関して、
見たり聞いたりした
というエピソードを挙げています。

そこから自分の行動には
なかなかリアルに
つながっていません。

または、行動していても
電気を消したとか
賞味期限と消費期限を調べたとか
衣服の寒暖調節をしたとか、
自分ごととして
本当に理由や目的があって
取り組んでいることとして
伝わってきません。

さぁ、何から始めよう?


では、
子どもたちの意見として
作文の中に光るのは
どのようなものでしょうか?

それは、
どんなに小さなことでも
自分が納得して意識して
行動に起こしていることです。

消費が増えない工夫。
買わない選択。
ゴミにならない意識。

シンプルで
一番身近なことで、
持続可能なこと。

納得して、
自分ごととしてやってみたこと。
それが一番なんです。

子どもたちだけでなく、
エコの話だけでなく、
どんなことでも。

だれもが
自分ごととして語れることが
何よりも
キラッと輝くのです。

作文や小論文から
わかることは、
子どもたちの文章力の問題でも
なんでもなくて、

日本人にとって
この「エコ」の分野では
まだまだ経験不足=行動不足なんだ…
作文から感じたわけです。

「ネタ」は家庭から


自分ごととして語れるために
自分が行動に起こせそうな
「ネタ」を仕入れてみましょう!

それには、
はじめの一歩に対する
精神的ハードルを下げること。

=やるなら楽しく!

そして大人も子どもも
手を動かしてやってみること。

そして、その体験を
誰かに語ってみること。

ぜひ、家族で。

そこから始めてみましょう。


●家庭でもできるエコの取り組み…
何があるかな?と思う方は
どうぞこちらへ ↓


ことばの表現を応援する
マナビエール団長
志田千帆

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